２０２４年１２月２９日 韓国LCCのチェジュ航空 ボーイング７３７型機が胴体着陸し、空港の外壁に衝突して炎上し乗客乗員１７９人が死亡する大事故が起きた。
チェジュ航空旅客機事故の原因は？
タイ・バンコク発チェジュ航空７C２２１６便は午前８時３０分頃に務安空港に到着予定だったが着陸前にバードストライクによりエンジンが２基とも故障した可能性が高いという。そのため油圧系統に異常が生じライディングギアが正常に作動しなかったのではないかとの見方が強くなっているとのことだ。
事故当日、務安空港は無風であった。
チェジュ航空2216便は出発地のバンコクを離陸後、務安空港周辺まで正常に飛行しており、2216便は務安空港の南側から最初の着陸進入を開始していた。
そして最終進入の途中でゴーアラウンド（着陸復行）を行い、再び上昇しながら空港上空を通過して空港北側に向かったが、航空管制から鳥の活動について注意喚起があった。およそ6分後に同じ滑走路を南方向に着陸し事故に遭遇した。
この事故が原因で油圧系統に異常が生じライディングギアが正常に作動しなかった可能性が高いと見られている。
しかし、この飛行機には自動で脚が出ない場合は手動で脚を出すことができる機能が備わっていた。
専門家の見解では、737-800には脚が出ない場合でも、手動で脚下げの操作が行える機構があり、それは重力、つまり脚の重さで降りる構造になっているとのことです。
そうしたことから、脚上げの状態で着陸したのは意図的である可能性が高いとされています。
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専門家の間ではなぜ手動で脚下げの操作を行わなかったのか、そしてなぜ意図的に脚下げ操作を行わず着陸に向かったのか、理由はわかっていない。
現在、専門家による事故の調査が行われているため今後事故の状況の詳細が解明されていくだろう。
チェジュ航空旅客機事故の状況はどうだったのか？
事故機は２９日午前８時５４分に一度目の着陸を試みたが、５分後の８時５９分頃にメーデーを送ったという。３分後には二度目の着陸を試みたがライディングギアを出すことができないまま胴体着陸し、滑走路の先にある外壁に衝突し炎上した。
乗客１７５名（韓国人１７３人、タイ２人）乗務員６人を含む１８１人が搭乗していたが助かったのは乗務員の男女２名のみ。乗務員の男性はシートベルトを締める指示を受けてから衝突の記憶もなく、なぜ自分が病院にいるのかも分かっていないとのことだという。
また、乗客の中には３月に結婚式を控えたカップル、昇進を祝いタイへ旅行へ行った人が搭乗していたという。
チェジュ航空旅客機事故の要因は？
今回、様々な要因が重なって起きた事故だが、大惨事を招いたのは滑走路から近い距離に設置されたコンクリートの構造物だという指摘が出ている。
フライトインターナショナルマガジンの編集者リアマウント氏は、「この外壁がなければ乗客が生存する確率は高かったであろう。状況を考慮すると機長は、とても立派に飛行機を着陸させた。
飛行機がかなり速い速度で移動してきたが、地面を滑るように降りてきた。
滑走路から２００メートル離れたところに強固な物体があるというのは今まで見たことがない。」と話した。飛行機が外壁と衝突していなければ、そのまま突き抜けて道路を通過しながら周囲の野原で停止したはずだと予測した。
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現在ブラックボックスの分析をアメリカの国家安全委員会へ依頼しているが、分析には一か月以上かかるとみられている。７０００時間のフライト経験を持つ機長はあらゆる手段を試みたはずだ。
実際に衝突する前にも頭上のパネルに手を伸ばしている姿が小さく映っていたのが見えるという。とても心の痛む韓国史上最悪の飛行機事故になったといえるだろう。
この事故の最大の要因とも言われている滑走路から近い距離に設置されたコンクリートの構造物だが、それ以外にもこの事故とても不可解な点が多い。
先にも書いたが、この事故はとても異例ずくしであることがわかる。
海外の航空安全専門家らは「鳥の衝突（バードストライク）という単一の原因だけでは説明できない」とし「より綿密な調査が必要」という留保的な立場を表した。
特に事故当時にランディングギアが下りなかったことについて「極めて異例の状況」とし「現在のところ疑問点が多い」という意見を出した。
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専門家の間でもこのように、バードストライクだけでこの状況に陥ることは考えにくいのだという。
そして機長が事故の直前まで着陸の方法を模索していたことがわかっている。
チェジュ航空旅客機惨事現場からボーイング７３７機種運営マニュアルの一部が見つかった。手で破ったかのように折れ曲がった状態で見つかり、緊迫した事故当時の状況を物語っていた。
一部ページには水上に緊急着陸するための「水面不時着」手続き関連の内容も入っている。
発見されたマニュアルには意図的に破られたとみられる痕跡も残っていた。「メーデー」宣言から事故瞬間までの空白の６分間にパイロットがすべての可能性を開いておきながら緊急着陸に備えていたと推定される。
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この記事からは「水面不時着」のマニュアルも見ていたことがわかり、機長たちは海に不時着することも検討していたことが伺える。
現在、調査が行われ色々の情報が入ってきている状況で、これから事故の詳細が明らかになっていくだろう。
昨年末のとても大きな事故のニュースでみなさんも驚きとショックだったと思います。
事故に遭われた遺族のみなさまには心からお悔やみ申し上げますとともに、早急の事故状況の解明を願います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
