またもや中国で感染症が拡大している、、、呼吸器感染症の「ヒトメタニューモウイルス」である。
一月末に春節を迎える中国、延べ90億人が大移動する。日本でも感染拡大が心配される、、、
日本に住む我々はどのように感染から身を守り、行動すれば良いのか考えてみよう。
呼吸器感染症「ヒトメタニューモウイルス」とは?
ヒトメタニューモウイルスとは、気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種である。
1~3歳の幼児の間で流行することが多いが、大人にも感染する。
小児の呼吸器の感染症の5~10%、大人の呼吸器感染症の2~4%は、ヒトメタニューモウイルスが原因だと考えられている。とくに乳幼児や高齢者は重症化しやすいため注意が必要である。
ヒトメタニューモウイルス感染症の主な症状
- 咳(多くの場合、1週間程度続く)
- 熱(多くの場合、4~5日程度続く)
- 鼻水
- ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸、呼吸困難【悪化すると出る症状】
ヒトメタニューモウイルスの特徴としては、1週間程度で症状は治まるという。1回の感染では免疫は獲得できないため何度か繰り返し感染してしまうが、年齢が上がるにつれ徐々に免疫がついてくる。
ヒトメタニューモウイルス感染症の予防策・治療は?
現在、治療方法として治療薬はなく、症状を緩和する対症療法が中心である。
- 解熱剤、鎮痛剤:発熱や痛みを和らげる
- 吸入器、気管支拡張薬:呼吸困難がある場合に使用されることがある
- 十分な休息と水分補給:回復を早めるために重要である。重症化した場合は酸素療法や入院治療が必要となることもある
予防策として、ヒトメタニューモウイルスに有効なワクチンはない。感染及び拡大を防ぐには、手洗いうがい、マスクの着用など、飛沫感染および接触感染対策が重要である。
とくに高齢者施設で発生した場合は、外出・外泊・面会の中止、施設内の消毒、手洗いうがい励行、入所者全員の体温測定による発症者の早期発見・早期治療、および感染者の隔離などの対策を検討したほうがよい。
消毒液はアルコールや0.02%次亜塩素酸ナトリウム溶液が有効であるとのこと。
中国国内・呼吸器系の感染症の状況は?
現在、中国ではインフルエンザの次にヒトメタニューモウイルス感染症が増加しているという。
ヒトメタニューモウイルスについては、14歳以下の陽性率が増加傾向にあり、中国北部の省で上昇傾向との情報も。
実際、陽性率のモニタリングが始まった去年11月中旬に比べると、ヒトメタニューモウイルスの陽性率は2倍あまりとなっており、疾病予防コントロールセンターでは12月31日にSNS上で症状や感染防止方法などの情報をまとめて公表している。
疾病予防コントロールセンターは「呼吸系感染症の流行の規模は、昨シーズンよりも小さい。」としているが、1月下旬に始まる春節の休暇では人の往来が急激に増えるため感染リスクが高まるとして、手洗いやマスクの着用を呼びかけている。
https://www3.nhk.or.jp/news/htm
コロナのパンデミックを連想させるが、パニックは不要?
あまり聞きなれないウイルスの名前で、また新しいウイルスが出たと勘違いする人も多いかもしれないが、実は20年前以上から見つかっているウイルスで、もっと昔から世界中に広がっているウイルスだという。
中国では2019年に新型コロナウイルスの最初の患者が確認されたが、情報公開の遅れにより国際的な批判を招いた。
中国政府は現在、コロナ禍の内需低迷を補うべくインバウンド誘致に注力。新たな感染症流行が外国人観光客の渡航控えにつながる事態に神経をとがらせている。
また、WHOは、中国で増加が懸念されているヒトメタニューモウイルスによる急性呼吸器感染症について情報を発表した。
北半球の多くの国で毎年、冬から春にかけて活発化する傾向があり、中国での増加も「予想される範囲内」であるという。
そのため、パニックになる必要はないのだろうが、感染拡大が日本でも懸念される。現在、インフルエンザも大流行しているため、ヒトメタニューモウイルス感染症も大流行しないことを祈る。